東北学院のネットワークで東北学院中学校バスケットボール部の活躍をサポート
2025年05月01日
東北学院のネットワーク
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学校法人東北学院(以下「本院」)は、東北学院大学をはじめ、東北学院中学校・高等学校、東北学院榴ケ岡高等学校、東北学院幼稚園を有する、東北最大規模の学校法人です。
今年で創立139年を迎える本院では多くの優秀な卒業生を輩出し、1903年に設立した東北学院同窓会には延べ20万人を超える同窓会員がいます。その同窓生が日本国内にとどまらず世界各国で活躍し、現在では、住居または勤務地が同じ地域で組織する支部が86、主に職域を同じにするTG会が124を数えます。
卒業生の活躍
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その卒業生の一人で、株式会社H2アシストが運営する「佐藤接骨院スーパースポーツゼビオあすと長町店」(以下「佐藤接骨院」)でセンター長を務める「佐藤力」氏が、2023年度より東北学院中学校のバスケットボール部(以下「中学バスケ部」)のトレーナーとしてサポートをしています。佐藤氏は東北学院高等学校から東北学院大学に進学し、教養学部地域構想学科(※2022年度から募集停止)を2014年度に卒業。株式会社H2アシストの代表である「佐藤洋」氏も東北学院大学教養学部地域構想学科の卒業生です。
東北学院中学校バスケットボール部の活躍と繋がり
佐藤氏がサポートしている中学バスケ部は、地域大会や全国大会で常に優勝争いに加わる強豪校です。2024年度宮城県中学新人選抜大会でも優勝を果たし、新チームの今後の活躍にも期待が高まっています。中学バスケ部を佐藤氏がサポートするきっかけとなったのが、2023年に行われた全国大会における遠征先への帯同です。試合中の応急処置や試合後の宿泊先での選手のケアなどのきめ細やかなサポートを見た本校教員が、今回だけでなく日頃からのトレーニングのサポートも協力いただきたいと打診。佐藤氏は母校であることもあり、快く引き受けていただきました。
サポート内容
トレーニング指導では、選手のパフォーマンス向上のためにアジリティ(俊敏性)メニューやパワー向上のためのトレーニングメニュー、ケガのセルフケアの指導、自宅でできる自主トレーニングメニューの提供などを中心に行いつつ、年に数回の頻度で専門性の高い体力測定を実施。体力測定では主に4項目(パワー・スピード・筋力・柔軟性)を測定していき、各項目は相互の相関(例:パワー=筋力×スピード、等)があるため、佐藤氏は選手ごとに足りない部分をどのようにすれば改善できるかなどを指導しています。選手たちには個別にグラフ化したスコアシートを渡しており、中学生にも分かりやすいように見える化をしています。前回の測定との比較もできるため、自分がどのぐらい成長しているかも一目で分かるようになっています。しかし、佐藤氏はこの測定について課題があるとし「正確なデータを図るのに約30項目の測定を行い、スピードを測定するのに赤外線センサーを用いるなど、測定にも大がかりな機材が必要で、時間も3時間程度と長時間かかってしまう」と話しました。
中学バスケ部の声
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佐藤氏にはトレーニング指導のほかにも、栄養指導の派遣にも協力いただいており、昨年には生徒の保護者も交えた食生活改善のレクチャーを行っています。東北学院中学校の生徒の多くは、電車などの公共交通機関を使って登校する遠方の生徒も多く、ライフスタイルがバラバラで、一人ひとりに合わせた食事メニュー等を提案しています。バスケ部の指導教員からも、食が細かった生徒が指導のおかげで量を食べられるようになったと話し「技術指導などは教員がしているのですが、限られた時間の中で、体力トレーニングや食事などの身体づくりのことまでは細やかな指導をすることができませんでした。そのため、専門の方に指導いただいて大変助かっています」と話し、事実、目に見えて身体つきや試合の結果にもつながっていると話しました。また、この佐藤氏のサポートは、ケガの防止にもつながっているとし、体力測定では数値の偏りなどを早期に発見することができ、それを改善することで未然にケガを防止することにもつながってくると話します。過去に数値に偏りがある生徒が大ケガをした事例もあり、まだ身体が未成熟な中学生だからこそ、このような取り組みで改善することが大事であると教員も感じたとのことでした。
実際に指導を受けた生徒からは「自分の改善すべきポイントが表でまとまっているので、分かりやすかった。体幹などは自分でもわかるぐらいに変わりました」「スピードに課題があったのですが、力さんに自分に合ったトレーニング方法を指導いただき、自信がつきました。今はジャンプ力向上に向けて指導してもらっています」「ケガをして通院していたのですが、力さんの的確なリハビリサポートのおかげで、早い完治となりました。ケガ防止のトレーニングについても教えていただきました」など、生徒たちからも自分に合った個別のトレーニングメニューで指導してもらえることは、大きなプラスとなっていることが分かりました。
東北学院大学との連携
その中学バスケ部と佐藤接骨院の関係に、新たに大学も関わることになりました。佐藤氏は、選手や指導者をより効果的にサポートするために専門性の高い体力測定を行っていますが、そのデータ分析に課題を抱えていました。測定データの収集や分析には多大な労力と時間がかかり、頻繁な測定が困難でした。また、選手や指導者に専門的な結果を返すだけでなく、分かりやすく身体やトレーニングの状態を伝える必要性も感じていました。これらの課題を解決するために、佐藤氏は大学時代の指導教員である高橋信二教授(現在は人間科学部心理行動科学科)に相談しました。体力科学とデータ分析の専門家である高橋教授(2017年度まで本学ラグビー部のコーチ)は、この相談を受け、データ分析を通して佐藤接骨院を支援することになりました。高橋教授と佐藤接骨院のタッグにより、主要な測定項目を抽出した効率的な測定方法の開発や、選手個人やチームの課題を発見しやすいフィードバックシステムが構築されました(図1)。
この新しいシステムにより、選手や指導者は身体状態やトレーニング状況を簡単に把握できるだけでなく、選手の生活面での評価も可能になりそうです(図2)。佐藤接骨院によるこの新しいサポート体制は、2025年度から導入される予定であり、中学バスケ部のさらなる活躍が期待されます。
![]() (図1)クリックしてPDF表示 |
![]() (図2)クリックしてPDF表示 |
東北学院のこれから
東北学院のネットワークは、在校生だけでなく卒業後も活用でき、メンバーを継続的に支援する体制が整っています。この強力なネットワークは、今後ますます強化され、より多くの人々にとって良い効果をもたらすことでしょう。