東北学院中学校・高等学校

ノートPC生徒一人1台環境

「ノートPC生徒一人1台環境」始まる
~2016年度入学生より学年進行、2018年度完成~

学校法人東北学院は、2036年の創立150年を見据え、TG Grand Vision 150(東北学院中長期計画)を策定しました。そのモットーは「ゆたかに学び 地域へ世界へ-よく生きる心が育つ東北学院-」であり、各部門(幼稚園・中高・榴ケ岡高・大学)において、中期計画が策定されました。中学校・高等学校部門でも、「21世紀にチャレンジする学院ボーイズ」をモットーとし、計画が策定されました。

その検討に際しては、国の教育分野における方針を踏まえつつも、それらを先取りする形で教育改革に関わる計画が策定されました。主な内容としては、「大学入学者選抜改革」に対応しつつ、生徒・保護者のニーズに細かく対応するために、コース制の採用とカリキュラムの変更を実施することとしました。また、教育の情報化の動向を踏まえつつ、教育内容・方法の質的転換を図るため、①ICT利活用に関する研修 ②授業モデル開発に関する研修 ③アクティブ ・ラーニングに関する研修を実施することとしました。総合的な学習の時間「3L希望学」において、「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development: ESD)」を導入することを決定し、その実施に際しては、アクティブ・ラーニングやICTを積極的に活用していくこととしました。更に、世界の課題に向き合い、自らの使命を考える力を育むため、高大接続改革、新学習指導要領改訂に対応しつつ、英語教育の質的転換と向上を目指し、英語教育を強化することを決定しました。

上記の決定により、ICTの積極的な活用について具体化したものが、「ノートPC生徒一人1台環境」の導入実施です。導入実施された内容は下記のとおりです。

(1)教室内の環境整備

  1. (ア) 無線LANをすべての普通教室に設置
  2. (イ) 電子黒板機能付きプロジェクターをすべての普通教室に設置
  3. (ウ) 書画カメラの購入 既存のものを含めて7台購入

(2)「Chromebook(情報端末PC)」の導入

※Chromebook選定の理由
現在、生徒一人1台環境において使われている端末は、Windows(タブレットを含む)・iPad・アンドロイドタブレット・Chromebookである。先行事例としては、iPadを採用している学校が多く見られる。本校においては、総合的な学習の時間でのESDや卒業研究などの活動を念頭に置き、インターネット等で調べるだけでなく、調べた内容から深く考察し、自分なりの考えをまとめ、表現し、他者に伝える活動を重視した。そのためには、キーボード入力は不可欠と判断し、キーボードが標準装備され、安価で、なおかつ文書作成・表計算・プレゼンテーションソフトが利用できるという点で、Chromebookを選定した。

(3)Google Workspace for Educationの導入

Google社が教育機関向けに無料で提供しているクラウドサービス。授業で教材の配布やテストを実施できるClassroomや、文書作成・表計算・プレゼンテーションソフトが無料で提供される。また、使用量が無制限であるGoogle Driveが提供されている。

(4)具体的な使用事例

導入当初の現在は、クラス担任や教科担当者からの連絡機能が多く利用されている。朝と帰りのSHR(ショートホームルーム)で、連絡事項をデータで配布し、確実な連絡が行われている。教科担当者からも、次授業の指示や課題の連絡がなされている。また、保護者への連絡機能もあるので、同じ内容を保護者にも連絡し、学校と家庭との間の確実な連絡が可能になっている。

授業においては、GoogleのClassroom機能を使って生徒に課題を配布することなどが行われている。

(5)今後の展望

導入当初の現状では、教員から生徒への連絡のような、一方向の情報伝達が中心となっているが、今後は生徒から教員へ、生徒から生徒へというように、相互の情報伝達への広がりを期待している。また、一人1台環境が導入できたことにより、ESDの活動にこれまで以上の広がりが期待できる。今後はESDの研究発表や、卒業研究の中間発表や卒業論文のまとめへの利用が期待される。

(6)2020年コロナ禍でのオンライン授業実践について

本校でも他校同様に3月から休校措置を実施し、生徒たちは家庭での学習を余儀なくされた。ただし、本校では2016年度から生徒ひとりひとりがパソコンを利用して学習を進める環境を構築しており、この環境が大いに利用できた。

まずは、家庭でインターネット回線があるかどうかを確認した。そして、教員端末にはカメラがなかったため、東北学院大学からの支援も受け、授業分の端末を確保した。ただし、本校でも在宅勤務が推奨され、学校の中が密にならないような時間割を工夫する必要があった。結果として、同じ進度で行う授業はまとめて実施した。また、授業数を多くすると生徒がずっと情報端末の画面を見ることになり、健康面で不安があったので、授業は午前中の4時間として、午後は日によってクラスで個別面談を実施することにした。

オンライン授業の第1回目は教員、生徒共に緊張感満載だった。そのような中、それぞれの教科で話し合いながら実践を進め、様々な工夫が見られた。カメラの位置を調節してオーソドックスに黒板とチョークで説明する・説明スライドを用意して解説をする・電子黒板を利用して記述したものをコンピュータで反映させる・問題をWeb上のツールによって解答を送信させるなど、試行錯誤をしながらも多種多様な実践が見受けられた。最終的には、全校で1790時間の授業を実施した。

6月からは本校でも学校での授業が始まった。オンライン授業でも様々なことができることが分かったが、リアルな場で生徒の顔が見えることは、何よりも安心することだった。

またまだコロナ禍が収まる気配が見られないので、再びオンライン授業が必要になった場合には、今回の経験を生かして行きたい。

困難に立ち向かう
~コロナ禍における本校の取り組み~

(7)学校訪問受け入れ、講演等の記録

4月上旬
新高校3年で講習をmeetで実施
4月4日
仙台放送の取材
新型コロナウイルスを考慮して仙台の高校がオンラインによる遠隔講習
4月8日
中高入学式
感染症対策として、GoogleMeetを使用して、礼拝堂より各教室に配信して実施
4月9日
始業式
感染症対策として、GoogleMeetを使用して、礼拝堂より各教室に配信して実施
4月10日
第1回Meet接続テスト
接続数277で、250を超える接続を確認したが、検証としては不十分
4月13日
中2・中3・高2・高3で一斉SHRを実施し、501の接続を確認
全校での遠隔授業が可能なことを確認
4月17日
中2・中3・高2・高3で一斉SHRと1時間の授業を実施し、960名の生徒中90%が参加できたことにより、今後の授業が可能となる
4月17日
仙台放送の取材
東北学院中高960人休校中にオンライン授業〈仙台〉
4月20日
本格的に遠隔授業開始。SHR・1日4コマの授業を週5日間実施。
4月20日
ミヤギテレビの取材
4月23日
基本的に在宅勤務となる。授業実施のためのみ学内入校可となる。在宅での遠隔授業も実施される。
4月28日
仙台第二高校、遠隔授業・Classiの調査のため学校訪問
4月28日
読売新聞に「中高もオンライン授業」の記事が掲載される
4月30日
仙台白百合学園中学・高等学校より、遠隔授業の見学のため学校訪問
5月4日
河北新報に「新型コロナ オンライン授業導入校増加」の記事が掲載される
5月4日
日本教育新聞に「東北学院中学校・高校 全教科でオンライン授業」の記事が掲載される
5月12日
県議会議員web授業視察
5月13日
美田園高校「通信制課程における学習指導の実際」にて、「東北学院中学校・高等学校の生徒一人1台環境と遠隔授業」という演題で新田教諭が登壇

学校再開以降

7月27日
山形県議、ICT教育・一人1台環境について視察
8月19日
茨城高校教員とMeetで、ICT教育・GSuiteについて質疑
8月28日
宮城県北部教育事務所、GSuite活用の視察のため本校を訪問
9月9日
Google主催の「ティーチャー・フォーラム:Google for Education授業での活用促進に向けて」にてオンラインで、「PCを使いたくなる場面(とき)、使いたくなくなる場面(とき)」という演題で名越教諭が登壇
9月11日
Classiにて社員向けにオンラインセミナーにて、「CGブレンド活用 第2波に備えて」という演題で新田教諭が登壇
9月16日
Google主催の「ティーチャー・フォーラム:Google for Education授業での活用促進に向けて」にて、オンラインで「学校全体への広がりに向けて工夫されたこと」という演題で新田教諭が登壇
9月23日
Google主催の「ティーチャー・フォーラム:Google for Education授業での活用促進に向けて」にて、オンラインで「導入時、初めて生徒と授業で使用する際に注意すべきことと故障対応」という演題で新田教諭が登壇
10月19日
Classi導入校対象にオンラインセミナーにて、Classiで「CGブレンド活用 ICT校内活用拡大のために」という演題で新田教諭が登壇
10月21日
Google主催の「ティーチャー・フォーラム:Google for Education授業での活用促進に向けて」にて、オンラインで「高校「社会と情報」の実践事例」という演題で岡本教諭が登壇
10月30日
古川南中学校、ICT教育・GSuite活用視察のため本校訪問
11月6日
茨城中学校・高等学校と宇都宮文星女子高等学校、Classi・GSuite・Chromebookの活用の視察のため本校を訪問
11月7日
日本教育工学協会:JAETの第46回全日本教育工学研究協議会全国大会・鹿児島大会にて【A-2】情報教育(情報活用能力の育成等)3にて、「高校情報科のビジュアルプログラミングによる自由制作の分析」という演題で岡本教諭が研究発表
6月21日
EDIXでClassi活用について、新田教諭が登壇
7月18日
尚絅学院中学校・高等学校、見学で訪問
9月24日
宮城第一高等学校にて、新田教諭がClassi活用講習会を実施
11月6日
青森南高等学校、見学で訪問
11月24日
立命館守山中学校・高等学校にて、高橋慶教諭と新田教諭が、Classiの事例紹介で登壇
12月6日
山形県最上町教育委員会教育文化課が視察のため来校
2月13日
ベネッセ・Classi主催の「広島県立高校におけるClassi導入説明会」に新田教諭が登壇。ChromebookでClassiとGoogleを活用した事例の紹介を行う。
2月21日
ダイワボウ情報システムが本校にて、販売業者向けChromebook見学会を実施。中学1年の総合学習「素晴らしい取り組みをされている方」の発表会を見学。その後、柴田教諭・新田教諭の「Chromebook 本校における導入と活用」の講演。

以下、新型コロナウイルス感染症対策

3月中旬
Meet講習会実施
3月18日
白石高校にて、新田教諭が校内研修でClassiの活用について講演
3月19日
中学校卒業式
感染症対策として、GoogleMeetを使用して、礼拝堂より各教室に配信して実施
8月1日
会津若松ザベリオ学園中学高等学校にて、ICT夏季研修会の講師。(新田教諭)
11月9日
第41回宮城県放送教育研究大会・第43回宮城県小中学校視聴覚教育研究大会・平成30年度宮城県高等学校メディア教育研究大会(於:石巻市立湊小学校)黒澤教諭が古典B「古典学習におけるメディア活用の利点」という演題で研究発表
11月19日
尚絅学院中学校・高等学校、見学で訪問
12月4日
北海道とわの森三愛高等学校、見学で訪問
12月26日
山口県野田学園中学・高等学校、見学で訪問
2月21日
株式会社エデュケーションデザインラボ(EDL)の取材
4月25日
山形城北高等学校、見学で訪問
4月26日
Chromebook配布
5月18日
福島東稜高等学校、見学で訪問
6月15日
北海道教育大学附属函館中学校、見学で訪問
6月24日
立命館守山中学校・高等学校にて、佐藤悠教諭と新田教諭が、Classiの事例紹介で登壇。ICT教育ニュースで取り上げられる
全国から先生大集合、立命館守山の「ICT公開授業with Classi」
6月27日
ChromebookメーカーAcer導入校事例紹介のため取材。動画とインタビュー
生徒1名・教員2名
7月4日
奈良女子大学附属中等教育学校、見学で訪問
7月28日
教育家庭新聞社主催 第3回私立公立高等学校IT活用セミナー
講師:新田教諭
演題「一人1台のノートPCを整備教科の授業で活用」
10月21日
Classiセミナー
私立学校の先生方と考える大学入試改革とこれからの学校教育
~大学入試の方向性と先進校事例からみる『学校改革』のポイント~
講師:新田教諭
演題「教育支援システムを使って授業改善と校務の軽減」
10月27日
『第21回視聴覚教育総合全国大会・第68回放送教育研究会全国大会』合同大会(宮城大会)が本校を授業提供校の1つとして開催される
11月13日
教育家庭新聞に視聴覚放送全国大会の記事が掲載される
11月15日
「大学・高校実践ソリューションセミナー2017」
講師:佐藤悠教諭・新田教諭
演題「PC生徒一人1台環境導入、東北学院の1年と全国大会の報告」
11月
Business DN’Aで本校の一人1台環境導入が紹介される
導入事例:東北学院中学校・高等学校
12月15日
遺愛女子中学校・高等学校、見学で訪問
2月23日
純心中学校・純心女子高等学校、宇都宮文星女子高等学校、見学で訪問
8月25日
Chromebook配付
9月12日
河北新報社 生徒一人1台環境導入に関する取材
9月15日
河北新報夕刊に掲載
11月14日
青森東高等学校、一人1台環境について学校訪問
11月18日
内田洋行本社にて、新田教諭が「中高一貫校におけるICT化計画~校務システムから生徒一人1台まで~」で発表
12月19日
札幌第一高等学校、ICT教育とChromebookの活用について学校訪問
2月1日
Classi取材動画とインタビュー 生徒2名・教員5名
3月19日
JAET(日本教育工学協会)「教育の情報化」実践セミナー2017 in 仙台
高橋(慶)教諭、登壇者として実践発表・新田教諭、コーディネーター担当