東北学院中学校・高等学校

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年頭所感-阿部恒幸校長-

2021年01月04日

学校改革

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中学校・高等学校
校長 阿部恒幸

 皆様、明けましておめでとうございます。旧年中の皆様のご協力に感謝申し上げるとともに、本年もよろしくお願い申し上げます。

 さて、本校の「2022年4月からの共学化を含む学校改革」が昨年10月22日の理事会で承認され、メディアを通じて報じられました。

 ただ、報道はネガティブなところだけを切り取ることが多く、肝心の目指す学校像を伝えてもらうことができませんでした。時間をかけ、侃々諤々の議論を経て積み上げてきただけに残念でしたが、関係者の皆様にはこの紙面をお借りして概要をご説明したいと思います。

 まず、今回の学校改革のキーワードは「未来学力」です。「未来学力」とは、ペーパーテストで中心となる学力に「多様性」、「主体性」、「創造性」を中心とする多様な資質・能力を合わせた学力を本校では「未来学力」と呼ぶこととしたもので、建学の精神をベースに、「未来学力」を付けることを目指す「ともに生きる力を育む、未来志向で生徒中心の学校」を創ろうというのがコンセプトです。

 「多様性」「主体性」「創造性」にフォーカスしたのは、子供たちが生きて行くこれからの時代にこの資質・能力が特に重要だと考えたからです。

 「多様性」に関しては、今後はたとえ生涯仙台で暮らしたとしても、身近に外国人がいて協力して生きて行く、あるいは仕事上日常的にパートナーとして協力して行くという時代になりますし、男女共同参画社会、女性活躍社会の中で、男女を問わず一人ひとりが自分らしい生き方を実現して行かなければならないことから、子供たちに、人種、民族、言語、文化、ジェンダー、考え方の異なる人々と協働できる力を付けてあげたいと考えます。そして、このように考えると本校が男子限定である理由がもはやなく、男子生徒を伸ばすためにも「共学」は必要との結論に至りました。

 「主体性」に関しては、これからの社会では、「正解があるかどうかもわからない、あっても一つとは限らない課題」に自ら粘り強く取り組む力が求められます。そのため、予めレールを引き、指示をしてきたこれまでの教育を改め、「主体性」を伸ばしてやることこそが大切になると考えました。そして、授業は「自ら学ぶ授業」に、学校行事も「生徒主体」に、部活動も「生徒の意思を尊重する活動」に移行して行かなければならないと思います。また、「自分で考え、判断、行動できる力」を育むため、あえて制服は定めず、機能性重視、ジェンダー、異常気象、国際化にも対応して行こうと考えております。

 「創造性」に関しては、成長社会が終わり成熟社会となった日本において、そして定型業務がますますAIに代替される未来社会において活躍するには、「創造性」が重要であると考え、SDGsを活用した探究学習「3L希望学」をさらに進化させ、新たな発想、ものの見方、探究的態度を養い、教師がコーチングに徹することで生徒の中にある「創造性」を引き出し伸ばすことに力を入れて行こうと考えております。

 以上、皆様には本校のこの方針をご理解いただき、今後ともご協力お願い申し上げます。