東北学院中学校・高等学校

新着情報

年頭所感-大橋邦一校長-

2017年01月04日

伝統は、次のステージへ

   160104-1_01.jpg  
    中学校・高等学校
    校長 大橋邦一

 学院の皆様、同窓会の皆様、謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年も東北学院中学校・高等学校生徒、教職員一同、宜しくお願い申し上げます。
 日本のある経済紙に、ひとりの外国の経済学者の論説があり印象に残りました。「民主主義、国家主権、グローバル社会は共存できない。どれかを犠牲にしなければ社会は成り立たない。」との論調でした。所得格差、環境問題、ナショナリズムによる排他的な世界情勢はますます深刻化しています。
 こうした時代に、今、本校は21世紀の課題にチャレンジする学院ボーイズを輩出すべく取り組んでいます。昨春からESD(Education for sustainable development:持続可能な開発のための教育)として「3L希望学」を開学し、地域の河川調査、世界の地域問題、国際理解、キャリア教育、卒業研究(中学3年生)などに取り組んでいます。
 そして平成29年、本年4月、いよいよ「新コース制」がスタートします。学院の伝統である「素直で、真面目な、優しい学院ボーイズ」と「寄り添う教員」の姿は、さらに輝きを増していきます。そのコースのコンセプトは「希望制」です。生徒の主体的な学びを大切にします。多様な資質、偏差の広い生徒諸君をしっかりと受け止め、彼らの憧れ、夢の実現へ向けて、きめ細かく効率のよい学び、進学、進路をめざします。ですから、従来のコース制よりも細かく、中学では「特別選抜」「総合」、高校では「特別選抜」「特別進学」「総合進学」「東北学院大学」のコースとなります。カリキュラムも学校設定科目、選択科目を増やし、次期学習指導要領改訂に先駆け「研究」「探求」の授業を始め、文科省の推進する高大接続改革に伴う大学入試改革にも対応します。
 さらに、すでに始まっている英語教育改革、ICT教育改革も、21世紀にチャレンジするスキルとして推進しています。海外研修のリニューアル、国際交流の充実、そして「ノートPC一人一台」環境が始まり教科授業はもとより、ESDの学びではプレゼンテーションで活用され、毎日のホーム・ルームでは生徒、教員だけでなく、保護者の方々への連絡にも用いられ好評です。平成30年4月には全教室にプロジェクター、無線LANが設置され、全生徒がノートPCを持ち、学校全体がラーニング・コモンズとなりアクティブ・ラーニング環境が実現します。そして、生徒の主体的な学びを促進するため学校行事も大きく変わります。各学年で宿泊を伴った行事が展開され、特に中学生は国内のEnglish Campなどを重ねつつ、中学3年ではシンガポールへの修学旅行を実施します。グローバルな舞台での体験学習は深い印象を与え、将来への夢をさらに広げることでしょう。
 こうして、伝統は、新しいステージへと向かっています。無限の可能性を秘めた将来の学院ボーイズを迎えるため、主体性のある児童、生徒諸君を迎えるために入試改革も実施しています。平成29年度(本年1月)の中学入試は前期試験として従来の4教科型試験が「2教科型(国語、算数)」となり、同時に「総合問題型試験」も実施します。また昨年度より始まりました後期試験も総合問題型試験として継続して実施していきます。高校入試は推薦入試に新たに「奨学生入試」が加わり、また一般入試では「専願」も導入し、学院高校への進学を第一志望とする受験生には合格ラインを配慮することとしました。そして奨学金及び特待生制度もさらに充実することとしました。
 今も、在校生諸君は日々の学びに精進し、学習に部活動に大変な活躍を重ね学院の伝統を継承しています。彼らの真摯な学ぶ姿勢、先生方の献身的な働きには何も変わるところはありませんし、むしろより一層、男子校ならではの憧れと夢に向かう熱い思いを感じます。彼らなら、きっと21世紀の課題にやさしく、たくましく、しなやかに生き抜いて、「地の塩、世の光」として成長することを、私は校長として信じ、日々祈り、楽しみにしています。
 最後になりましたが、本年も皆様の上に御恵みと御導き、祝福が豊かにありますようにお祈り申し上げ、今後も生徒、教職員への温かい励ましとお祈りをお願い申し上げ、校長としての年頭の御挨拶とさせて頂きます。