髙橋文吾君(高3)がイスラエル研修旅行記を寄せてくれました
2012年10月10日
被災高校生に夢と希望を与えたいという公益社団法人日本イスラエル親善協会のご招待により、宮城県内の公私立高校生13名が7月30日から8月11日までイスラエル研修旅行に参加しました。本校からは多数の参加希望者の中から選ばれた髙橋文吾君(高3)が参加しました。このたび、髙橋君がその旅行記を寄稿してくれましたのでご紹介いたします。
私は夏休みの11日間イスラエルへ研修旅行に行ってきました。イスラエルという国は日本ではあまり馴染みのない国だと思うので、今からこの旅行の紹介をしながらイスラエルの事について書いてみたいと思います。
まず、初日は夜の10時にテルアビブに到着し、ホテルへ移動したのですが、ここで翌日にテレビに出てほしいというオファーを受けた神藤さん(日本イスラエル親善協会会長)は、私と尚絅学院の竹内さんを出演させようと声をかけました。(早速日本とは違う勢いを感じました。前日オファーです・・・。そして生放送でした・・・。もちろん英語です・・・。)急ではありましたがとても面白い経験ができてよかったと思えたテレビ出演でした。また、同日はヨッパ旧市街を見学した後、独立宣言の家に行き、日本大使館も訪問しました。独立宣言の家はまさに約60年ほど前イスラエルが独立を宣言した場所であり、同時に初代首相が誕生した場所です。
その翌日はイスラエル医療団を訪問しました。この医療団こそが東日本大震災の時いち早く日本に駆けつけてくれたチームです。「残念ながらイスラエルでは近隣諸国との小競り合い等があるが、それゆえに、緊急災害への対応力が高い」という話がありました。その後の研修では、嘆きの壁、ガリラヤ湖、エッケホモ教会、聖墳墓教会、告知教会、聖誕教会など、キリスト教(ユダヤ教)に関連する名所を巡りました。また、イスラエル自体が聖書の舞台なので、聖書で読んだことのある地名があり不思議な気持ちになりました。特にエリコ、エルサレム間の道路には「善いサマリア人」と書いてある看板が立っていたりしましたが、これは毎朝聖書を読む学院生で知らない人はいない聖書箇所でしょう。私も特に記憶に残っている箇所で、その舞台に今自分がいるという事実をよく噛みしめました。
また、私たちは今回の研修の中でヤド・バシェムというホロコースト博物館にもいきました。この博物館ではナチスドイツによるユダヤ人迫害の歴史が紹介されています。私たちは博物館のガイドさんの話を聞きながらこの博物館を見学し、アウシュビッツ収容所の様子などを中心に学びました。そしてアウシュビッツから生き残った女の子の話をガイドさんが始め、その女の子がそのガイドさんの祖母であるということを最後に聞かされた時は何か込み上げてくる感情がありました。このユダヤ人迫害という大きな歴史上の出来事を本当に正しく理解することはとても難しいことですが、これから少しずつ理解していきたいと思いました。
このようにして私は11日間のイスラエル研修旅行を終えましたが、11日という日程はとても短いと思えるほどに、イスラエルは歴史的にも文化的にも魅力的な国でした。イスラエルはパレスチナこそ雰囲気が違いますが、日本人が想像するような治安の悪さではありません。ぜひ一度この国を訪れてみる事を勧めます。
被災高校生イスラエル研修旅行の日程
7月31日 | 成田発 |
8月 1日 | テルアビブ着 日本大使館訪問 イスラエル日本親善協会と懇談 |
2日 | イスラエル医療団訪問 |
3日 | マサダ要塞見学、死海浮遊体験 |
4日 | イスラエイドのライシュ博士訪問 クムラン、エリコ遺跡見学 |
5日 | 聖誕教会、岩のドーム、イスラエル博物館見学 |
6日 | イスラエル外務省訪問 嘆きの壁、ヤド・バシェム、聖墳墓教会 ヘブライ大学生と交流 エルサレム七夕祭参加 |
7日 | キブツ・へフチバ訪問、ガリラヤ湖遊覧 |
8日 | ナザレ見学 キブツ・ラマトヨハナン訪問 |
9日 | ネタフィームの点滴灌漑工場見学 テルアビブ着 |
10日 | 成田帰着 |