東北学院中学校・高等学校

年頭所感

2014年01月06日

いつも喜んでいなさい  

   140101-1_01.jpgのサムネイル画像  
    中学校・高等学校
    校長 大橋邦一


いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
どんなことにも感謝しなさい。


 救い主のご降誕を祝し、新年のお慶びを申し上げます。
 旧年中は本校へのご理解とご支援、そしてご加祷を賜り心より感謝を申し上げます。どうぞ本年も宜しくお願い申し上げます。
 2005(平成17)年の春に移転しました本校も、小鶴の地において満8年が過ぎ9年目に入ります。「十年一昔」とは言いますが、小鶴における本校の歩んできた道も、主な教学、人事、管財、そして財政面などを中心に総括される時と考えております。
 この間、中学校入学適齢児の人口は減少し、また公立の中等学校や中高一貫校の開校に伴い、本校への学力上位層の入学者もまた減少しています。この生徒募集の困難な時代にあって本校が健闘していますのは、学院の伝統、安心と安全を求める要請、部活動への期待であります。ただ、今後、そうした伝統に依存し、志願者の要請に応えるだけでは、私学としての存在意義、つまり真理を探究する学問の自由、そして建学の精神の堅持と継承は失われることになります。その意味で、今、本校はまさに建学以来の危機的な状況にあると言っていいでしょう。
 そうした状況に、校長として赴任した私にとりまして何よりの恵みは、生徒諸君の日々の姿であります。彼らの授業、部活動、諸行事をみ守り、共に参加している時が最もエネルギーが与えられ、喜びの時です。ただ残念ながら、彼らの行動に幼さと消極的な印象を受ける時もあります。彼らが将来に対して安易な道を選択するのではなく、広い視野で見聞を重ね、自由に批判し考え、議論を重ねるコミュニケーション能力と判断力を備えたリーダーに成長してほしいと願っています。そして、敢えて社会の困難な課題に向き合い、行動するたくましさとしなやかさを身につけ、互いに仕え合う人とされることを願っています。
 そのために、まずは私たち教師自身の意識と行動が問われています。私たち教師自身が、今、何が本当に必要で、何が本当に大切なのか、人の目に触れない、人が語ろうとしない、人が聴こうとしないできた課題にこそ大切な、必要なものがあると信じて、求め、探し、門をたたきつづけて、生徒と共に歩んでいくことが求められています。
 喜びと祈り、そして感謝のうちに本年も歩んでまいります。そして、学院の皆様の上に神様のみ守りと祝福を心よりお祈りしております。